ハワイのボーンフィッシュ釣行記

ガイドのケヴィンが魚の動きが活発になる前に、まずは釣り方のお手本を見せてくれた。魚を見つけるまでは1メートルくらいロッドティップからラインを出し、ロッドを持っていない手でラインとフライを持って構える(ボーンが見えたらすぐににキャストできるようにするために)。フォルスキャストは多くて3回まで。1発勝負なので、とにかくすぐキャスト。ストリッピングはとにかくゆっくり、30センチくらいずつ引く。早いときはトレバリーなど、ほかの魚が掛かる確率が高くなるらしい。フライのパターンはクレイジーチャーリーが一般的だが、黄色系のフライはヌーヌー(和名:ヤガラ/英名:Trumpetfish)などが好むとか。どっちかというと茶系の地味目なのがいいみたい。

1人30分ずつ交代でケヴィンが付いてくれた。ケヴィンが付いていない時はブラインドキャスト。とにかく目がとても良くないと見つけられない。ひたすらキャスト。ケヴィンが付いている時は、彼が言った方向にキャスト。藻が多いので、けっこうフライがひっかかってしまうが、強く引くと取れる。フライに藻が絡まってしまうので、こまめに取ることが必要。ハワイは地形の問題で陸からの風の吹き降ろしがすごい。釣りをしている間、ずーっと強風。女性の私は時々よろけてしまうほど。また、太陽が出ていないと水の中が全く見えない。そういう時はブラインドキャストのみ。風が強いのでほんと、キャストが大変。サイドキャストで風の抵抗を避けるなど、風の対処がキーポイントなのである。今、後ろに見えたけど向かい風だから、彼らが回ってくるのを待つしかないなぁ、といった感じである。しかし、確実に魚はいるみたい。心が躍る。
振り始めてから1時間、ケヴィンが戻ってきた。少しして右の30ヤード先にいるよ、とケヴィン。私にはまったく見えないが、とにかく言われるままにキャスト。「GOOD! ゆっくり引いて」と言われ、1回引いたとき、突然ラインがみるみるうちに走った。リールが唸る。あっという間にバッキングラインまででたときに我に返った。「かかった〜!」。隣でケヴィンが「Good job!!」と。慎重にリールでやりとりするが、かなりのパワー。巻いたと思ったらまたラインが出て行く。これぞソルトフライの醍醐味! もう感激の一言。HITしてから多分5分くらい、ようやく魚体が見えた。ケヴィンが、ボーンは人の姿を見たらもう一度走るよ、と言ったとたんに、また走っていった。かなりおもしろ〜い! ほんと、至福の時間である。それからおそらく3分ほどでケヴィンがキャッチしてくれた。銀色に光るその魚体は、ものすごくきれいだった。太陽に照らされきらきらと光っている。とうとうボーンフィッシュをキャッチした。こんなにきれいな魚は初めて見た。
ケヴィンがやさしく魚体に水をかけている。あぁ、この人はほんとにボーンフィッシュを愛し、大切にしているのだなぁ、と思う瞬間だった。ケヴィンがボーンは水の中では「ほら緑に見えるだろう?」。これを見分けているんだよ、と教えてくれた。そして「Thank you!」と言ってリリースした。サイズは6ポンド、70センチオーバー。グッドサイズだった。
ケヴィンが「Next is your turn」と石井に言った。それから私はまたブラインドキャスト。