ウエルストンリールの独自内部構造、お見せします

強力なドラッグシステムとなめらかな回転を生み出すさまざまな機構をご覧ください。
写真はソルト用9-10ラージアーバー。メンテナンスのご参考としても活用ください。
これが「ウエルストン」9-10ラージアーバー。
設計から製造、そして数々のフィールドテストを重ね改良を加えるなど、全ての工程を石井鉄工、自社工場で一貫して行っています。
リールの外周には「WELLSTONE/MADE IN JAPAN」が刻印されています。ドラッグつまみは手触りの良いローレットデザイン。リールの裏側側面にはオプションで、写真やロゴ、名前などを彫刻することが可能です。
リールを分解するには、リール裏側の大型のドラッグつまみと、2個の穴のあいたロックナットを外します。最初にロックナットとなっている内側の2個の穴のあいたつまみを左回転で外します。手で回らない場合には付属の専用工具を使って外します。
次にドラッグつまみを左回転で外します。このつまみの裏側には金属球が2個装着されていますので、紛失しないように注意して下さい。
リール本体側の中心部にはステンレスのセンターシャフトが組み込まれていますがここには専用のホワイトグリスをたっぷり散布しておくことをおすすめします。
ドラッグつまみを外すと、ボディ、スプール、ストレートシャフト、バネ、バネ受けに分解できます。ボディ側には、コルクディスクのアッセンブリーが残っているはずです。
コルクプレートの付いたドラッグシステム(指示部分)がウエルストンリールの心臓部。独自に設計開発したこのドラッグシステムは、弱いドラッグテンションからロックする直前までのテンションを絶妙にコントロールできる高い性能を備えています。強く締め込んだ状態であっても、魚の急激な「突っ走り」に対し、じわっと糸を送り出してかわしてくれます。とても粘りの強いドラッグシステムと言えるでしょう。
ウエルストンリールにはベアリングが多用されています。
ディスク部(指示部分)にはステンレスの大型ベアリングが目につくと思います。これが主ベアリング。このベアリングのおかげで、逆転時にもスムーズな回転を実現しています。
ドラッグシステムの中心には、薄いブルーのワンウエイベアリングが装着されています。出荷時には右巻仕様です。左回転に変更する場合には、このベアリング上部の黒いカバーを付属の工具を使って外し、ベアリングの天地を逆にしまる。この作業によって左巻使用に変更可能です。
ドラッグシステム下部には強力なテンション(引っ張りテンション)がかかるため、大型スラストベアリングが装備されています。
このベアリングは、回転だけでなく軸に対してサンドイッチになる力に対してもスムーズな動きを発揮します。それがドラッグを締め込んだ状態でもスムーズな回転を実現できる理由です。
スムーズな回転を実現するために、スプール中心部の上下にも更にベアリングを装着しています。このように、数多くのベアリングと精度の高い加工技術により、ブレのない、滑らかな回転を実現しています。
プランジャーがこのリールのスプール裏側にある凹に対して当たることで逆転音を鳴らしていきます。
ソルト用のリールには、この部分に一台ずつシリアル番号が彫刻されています。このセンターシャフトはステンレス製ですが、強度を上げるために刀と同じように焼き入れ加工が施されています。
ドラッグつまみの裏側にも2個のベアリングを使ったプランジャーを装着することでドラッグの微妙な締め具合を調整が出来るように配慮しています。
ウエルストンリールは多くのベアリングと、精度の高いパーツのおかげで、高性能で超なめらかな回転をするフライリールとなっています。